VOICE を知っていただくために、どんな曲をどんな風に演奏しているか解説します!
2006年8月5日(土) 藤沢・OLD YESNO JACK SECONDでのセット・リストより


藤沢・OLD YESNO JACK SECONDでのLiveの写真はこちら (計5枚)
*上記リンクで写真が見れない方はこちらからお願いします*
■1st Stage■
曲目 解説
What a difference a day made
(縁は異なもの)
Words:Stanley Adams(Original W:Maria Grever) / Music:Maria Grever
・1934年 メキシコの作曲家、マリア・グレベールが作詞・作曲した
 カンシオン(スペイン語で歌の意)で、
 スタンリー・アダムスが英詞を書いてポピュラー・ソングとなった。
 59年にダイナ・ワシントンが歌い、ミリオン・セラーとなる。
・「あぁ神様、たった1日で目の前には虹の橋、晴れ渡る空 」と
 主人公の心のときめきをそのまま音にしたイントロから、
 ラストまで高揚し続ける。
 隙間を生かしたPf&Percのバッキングに、
 リズムユニゾン&ハーモニーのVo。
 ハッピーなSambaアレンジを是非。
Fly me to the moon Words / Music:Bart Howard
・1954年「In other words」のタイトルで書かれた3拍子の歌
 (ワルツ調のバラード曲)。62年、ピアニストのジョー・ハーネルが
 Bossa Novaに編曲して改題、
 そして彼のレコードがヒットし、更に人気を得た。
 87年の映画「ウォール街」(主演・マイケル・ダグラス)使用曲。
・Voiceアレンジとしては珍しく、
 心地よいBossa Novaのリズムをそのままに、
 そして更に珍しく各々のソロ、スキャットを聞かせる。
 アドリブ内のSwingがポイントとなり、
 シンプルなアレンジとなっている。
New York Alley
(Voice Vol.1収録)
細畠洋一 作曲
・冬のニューヨーク、ビルの谷間に吹く風。
  そんな風景をモチーフにして作られた曲。
  メロディは細畠氏の好きだったマイルス・デイヴィスの
  枯れたトランペットのミュートした音をイメージ。
・CDにはエレキギターのメロディで収録されている
  スローなオリジナル・ジャズ。
  pfでたどたどしくも綺麗なメロディを一音一音弾いてゆく。
Corcovado (Quiet night)
(Voice Vol.3収録)
Words / Music:Antonio Carlos Jobim
・舞台はリオのランドマーク、コルコヴァードの丘の
  キリスト像が見下ろす静かな夜。
  部屋の片隅に置かれた一本のギターから
  愛する二人を幸せにする歌が生まれる、といった内容のラヴ・ソング。
  ブラジル100周年の1931年に、このキリスト像が出来た。
・Pf が大きく弾くイントロの中、歌が語るように絡み始める。
 静かな夜に映し出される山々、海、その美しさ、
 そして愛しい人よ…と、とつとつと歌う歌声に
 穏やかな時間が流れます。
Escravo da alegria Words:不明 / Music:Toquinho
・ギタリスト・歌手・作曲家であるトッキーニョの作品で
 80年にマリア・クレウザの歌でヒットする。
 “喜びの奴隷”と訳されるこの曲は
 「孤独な闇夜をさまよっていた私に、突然の出来事が起こる。
  ついに出会ったものは、夏真っ盛りのカルナヴァル 」と歌われ
 情感溢れるメロディーが、心にしみわたる。
・Bossa NovaがSambaを土台として創られたことが伺える一曲。
 オリジナルのコードやメロディーラインを残しつつ、
 サビではVoiceならではの符割で聞かせる。
 Percの音色が、とてもアクセントになっているアレンジ。
Manha de novo 細畠洋一・柿沼寿枝 作詞 / 細畠洋一 作曲
・「新しい明日」のタイトル通り、昨日を振り返らずに明日へ、
  そして夢へと向かって突き進む人生へのエールが
  書かれている希望のサンバ。
・何かが始まりそうな、そんな予感がするイントロから、
  徐々にラストへ向けて高揚していく。
  “人々よ健康であれ!しっかり強く生きろ!
  カーニバルでは歌い踊れ!”とポルトガル語の掛け声を歌に入れ、
  ブラジルへの郷愁(saudage)も折り込まれている。
  オリジナルでは、数少ない日本詞の一曲。




■2nd Stage■
曲目 解説
When you wish upon a star
(星に願いを)
Words:Ned Washington / Music:Leigh Harline
・1940年、ウォルト・ディズニーのアニメ「ピノキオ」の主題歌。
 同年、アカデミー主題歌賞受賞。
 ゼペットが『あやつり人形のピノキオに魂を与えて下さい。』と
 星に願いをかけると、こおろぎのジミニー・クリケットが
 『星に願いをかければ、誰だって心の願いが叶う。』と歌う。
・Verse(ヴァース)と言われる序奏では、声の掛け合いとハーモニーを
 アカペラで聴かせ、アカペラのままメロディーへ。
 Voiceでは珍しくSwing感を出したアレンジだが
 2声のVoは、全てがリズムユニゾンで進んでいく。
 ラストは序奏のモチーフを生かしたハーモニーが特徴。
 Voiceならではのアレンジをお聴き逃しなく!!
In a Sentimental mood Words:Irving Mills & Manny Kurtz / Music:Duke Ellington
・1935年、エリントンの数々の美しいバラード曲の中でも、
 彼の才が発揮されている一曲。
 独自なブルージー・ムードを持つバラードの名歌。
・Perc の 6/8拍子のパターンから始まるイントロは、とても印象的。
 オリジナルのブルージーさからはかけ離れた
 リズムを強調したSambaの醍醐味をどうぞ!!
 この曲は“Voice”として最後に取り組んだ曲です。
発寒川(はっさむがわ) 細畠洋一 作詞 /作曲
・2000年、細畠氏が亡くなる3日前の9月14日に作られた遺作。
 札幌 ・琴似出身の細畠氏が、子供の頃によく遊んだ
 地元の“発寒川”に、母への想いも込めて作られた。
 奄美の島唄 「おぼくり〜ええうみ」(朝崎郁恵さん)から
 刺激を受けていた為、最後の気力を振り絞り、
 入院先のベッドの上で、声を出す事も起き上がる事も
 ままならない状態の中で、残してくれた思い出深い作品。
・残してくれた詞とメロディーに、故郷への想い、母への想いを
 私達なりに重ね合わせてアレンジ。
 Jazzをはじめ、多くのジャンルを手掛けてきた細畠氏が
 最後に残したのが、日本語の曲というのがせつない。
 「Pfはクラシックな感じに、Voはファルセットで優しく」
 これが、“発寒川”そしてこの世に残した最後の曲への言葉です。
Blue in SEOUL 細畠洋一 作曲
・ソウルの夜明けの町並み、
 ビルのブルーの照明にインスピレーションされて書かれた曲。
・本来、ピアノトリオでのJazz Waltzとして作られた曲ですが、メロディーから
 セピアカラーが出せたらと思い、
 ピアニカとPfの2種類の鍵盤でアレンジした
 CD未収録のオリジナルインスト曲です。
Song for Mr.Dino
(Voice Vol.2収録)
細畠洋一 作詞 /作曲
・1990年頃亡くなった、細畠氏の友人である
 ジャマイカ系アメリカ人の黒人Sax奏者“Mr.Dino”を想い書かれた作品。
 当初タイトルは、歌詞にも出てくる「Bad Water」(お酒)。
 惜しくも細畠氏も同じ病気で亡くなっている。
・オリジナルはミディアム・スローのソウル・バラード。
 今回は、しっとりとしたメロディーにBossa Novaのリズムが
 せつなさを感じさせるアレンジとなっている。
 細畠氏オリジナル作品中、初めて耳にし、歌った曲です。
Garota de Ipanema Words:Vinicius De Moraes / Music:Antonio Carlos Jobim
・「ゲッツ/ジルベルト」(1963年)を通じて世界に広まった
  20世紀のポピュラー・ミュージックを代表するスタンダード。
  ジルベルトの可憐な歌声も手伝って大ヒットし、グラミー賞受賞。
  この旋律を思い浮かべたのは、イパネマ海岸の裏通りにある、とあるバー。
  そのバーは、作品誕生にちなんで、
  “ガロータ・ジ・イパネマ”と命名されている。
・Bossa Novaの中でも、聴いた事のない人がいない程の
  スタンダード中のスタンダード。可愛らしいイントロから始まり、
  オリジナルではメジャーコードの上にメロディが乗っていきますが、
  美しい娘に想いを告げられずにいる切ない心を
  あえてマイナーコードにして、その上にゆったりとした音符を乗せ
  サビのハーモニーもプラスされて、
  ミステリアスな「イパネマの娘」に仕上げました。
Agua de beber Words:Vinicius De Moraes / Music:Antonio Carlos Jobim
・1961年、ジョビン&モラエスがブラジリアを訪れた際に
 飲んだ泉の湧き水の印象をもとに共作。
 アストラット・ジルベルトやセルジオ・メンデス&ブラジル’66でヒット。
 水の大切さを愛の尊さに例えた内容の曲。
・シェーカーに続き、Pf、スキャットが重なり、
 1コーラス目はシェーカーと声だけで聴かせる。
 後半では声と楽器とが、ユニゾンになり、リズムを強調。
 ラストのアカペラまで、他にないBossa Nova + Swing の
 Voice「Agua de beber」を。
Nao deixa o samba morrer Words・Music・年代不明
・ポルトガル語で「愛のサンバよ永遠に」「サンバを死なせないで」の意。
・インパクトのあるイントロから始まるこの曲は
 メロディアスなメロディーラインを生かしたSambaの曲です。
 一回聴いたら、座っているのが勿体ないと思うはず!!

■encore■
Manha de novo 1st stage のラストの曲解説をご参照下さい。



セット・リスト バックナンバー
06/03/31(金)
六本木・Back Stage
06/4/28(金)
六本木・Back Stage
06/5/26(金)
六本木・Back Stage
06/7/28(金)
六本木・Back Stage
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