2006年7月28日(金) 六本木・Back Stage でのセット・リストより

■1st Stage■
曲目 解説
So danco samba Words:Vinicius De Moraes / Music:Antonio Carlos Jobim
・映画「コパカバーナ・パレス」の為に書かれた曲。
  ジョビンは常々「私が作曲する音楽の9割はサンバだ」と語ってきたように
  この曲は「私はサンバだけを踊る。サンバしか踊らない。」という内容。
  そして、Bossa NovaがSambaを土台として生まれて来た事が
  伺える一曲。サンバ賛歌。
・軽妙なリズムにゴロのいい歌詞を乗せ、
  所々にもっと楽しくなる様な仕掛けを!
  その仕掛けが、いいスパイスとなっているアレンジ。
Samba de uma nota so Words:Newton Mendonca / Music:Antonio Carlos Jobim
・英詞では“One note samba”のタイトルで親しまれているが
  そのワンノート(ひとつの音符)のメロディが、
  Sambaのリズム独特のうねりを紡ぎあげ、
  一音一音の背後で色彩感豊かなハーモニーが次々と展開し、
  Bossa Novaの極意が、曲と歌詞にこめられている。
  一つの音=一人の人 という音に例えたラヴ・ソング。
・半音階を使ったイントロから、シンプルなメロディが始まります。
  その背景には、そのシンプルなワンノートが生きる為の
  コードがちりばめられ、Bossa Novaの楽しさと心地良さが体感できます。
O pato Words:Jayme Silva/ Music:Neuza Teixeira
・直訳で「アヒル」。アヒル、マガモ、ガチョウ、ハクチョウが、
 一羽ずつ加わって行き、カルテットでの練習風景に歌声(鳴き声)を挟みながら
 場面は進みます。
 ブラジルではアヒルは鳴くのではなく、歌うと。
 canta!クェン、クェンと…。
・私達は2人なので、4羽のカルテットの様にはなりませんが、
 所々にアカペラをちりばめ、早口言葉の様なポルトガル語の詞を、
 滑稽で楽しく可愛らしいSambaのアレンジに仕上げました。
Ele 細畠洋一 作曲
・ある一人のドラマー(彼…ポルトガル語でEle)に書かれた曲。
  本来は、4リズムにより、4Beatのスピード感溢れ、アクションや仕掛けで
  彼の良さが最大限に弾き出されるように書かれている。
・本来のテンポより少しテンポを押さえつつも
  原曲の持つ良さを生かすようアレンジ。
  ドラムに代わりPercによるソロやアクションが
  仕掛けの間を縫うリフが聴き所。
The way we were Words:Marilyn Bergman & Alan Bergman / Music:Marvin Hamlisch
・バーブラ・ストライザンド/ロバート・レッドフォード 主演による
  映画「追憶」(1973年)の主題歌。
  バーブラ本人の歌は、アカデミー主題歌賞を受賞、
  翌年には全米ヒットチャートの1位に。
  作曲・音楽監督のハムリッシュは同時に、
  オリジナル劇音楽賞を受賞するという、名作中の名作。
・誰にでも一瞬にして甦る美しい思い出。
  「追憶」のメロディをPfがゆっくり弾き始め、歌が重なる。
  サビからは、Sambaのリズムに乗せ、2人のハーモニーやスキャットが絡まり
  2人で過ごした色々な日々を表現するアレンジに。
  私達“Voice”らしく明るいアレンジでお送りします。



■2nd Stage■
曲目 解説
’Round Midnight
(Voice Vol.3収録)
Words:Bernie Hanighen / Music:Cootie Williams ・Thelonious Monk
・1942年頃に作曲され、44年にCootie Williams楽団によって初録音。
  その際に手を加えた事で、Williamsの名が作曲者にクレジットされている。
  テナーサックス奏者、デクスター・ゴードン主演の同名映画の主題歌。(1986年)
  モンクの代表曲として、マイルス・デイヴィスなど多くの名演が残されている。
・アダルトな雰囲気の曲を想像すると思いますが、
  “Voice”アレンジでは、なんとも例えようのない空気の漂うイントロから
  安定したリズムと、これぞ “Voice”という入り組んだヴォーカル2声が交わり
  ブレイクなども生かしながら変化していきます。
  ラストのアカペラまで聴き逃さずに!!
All of me Words/Music:Seymour Simons & Gerald Marks
・1931年作
  「なぜ私の全てを奪わないの。
  あなたなしでは私はダメなことがわからないの。」と
  激しく迫る情熱的なラヴ・ソング。
  ビリー・ホリデイとレスター・ヤング共演のセッションが有名。(1941年)
  日本では、1990年代にダイナ・ワシントンが歌ったものが
  煙草のCMに使用された。
・情熱的な詩に対して、明るいメロディが特徴のこの曲に
  どんよりとしたマイナーコード、そして4拍子を5拍子の曲にアレンジ。
  不思議な感賞を味わえる曲に仕上がりました。
New York Alley
(Voice Vol.1収録)
細畠洋一 作曲
・冬のニューヨーク、ビルの谷間に吹く風。
  そんな風景をモチーフにして作られた曲。
  メロディは細畠氏の好きだったマイルス・デイヴィスの
  枯れたトランペットのミュートした音をイメージ。
・CDにはエレキギターのメロディで収録されている
  スローなオリジナル・ジャズ。
  pfでたどたどしくも綺麗なメロディを一音一音弾いてゆく。
Garota de Ipanema Words:Vinicius De Moraes / Music:Antonio Carlos Jobim
・「ゲッツ/ジルベルト」(1963年)を通じて世界に広まった
  20世紀のポピュラー・ミュージックを代表するスタンダード。
  ジルベルトの可憐な歌声も手伝って大ヒットし、グラミー賞受賞。
  この旋律を思い浮かべたのは、イパネマ海岸の裏通りにある、とあるバー。
  そのバーは、作品誕生にちなんで、
  “ガロータ・ジ・イパネマ”と命名されている。
・Bossa Novaの中でも、聴いた事のない人がいない程の
  スタンダード中のスタンダード。可愛らしいイントロから始まり、
  オリジナルではメジャーコードの上にメロディが乗っていきますが、
  美しい娘に想いを告げられずにいる切ない心を
  あえてマイナーコードにして、その上にゆったりとした音符を乗せ
  サビのハーモニーもプラスされて、
  ミステリアスな「イパネマの娘」に仕上げました。
Recado Bossa Nova
(The Gift!)
Words:Paul Francis Webster(Original W:Luis Antonio) / Music:Dijalma Ferreira
・1959年作
  ジャズ・ミュージシャンの注目を集めて来たこの曲は、
  80年代にマンハッタン・ジャズ・クインテットの録音により、
  日本で知られるようになった。
  米では63年にイーディ・ゴーメが「The Gift!」のタイトルで録音。
  オリジナルは「レカード(伝言)」。
・転調が続くイントロから、心地良いテンポのBossa Novaの歌へと続く。
  声の掛け合いや、スキャットの絡み合いが特徴のアレンジとなっている。
  オリジナルはポルトガル語だが、よく知られている英詞で。
Manha de novo 細畠洋一・柿沼寿枝 作詞 / 細畠洋一 作曲
・「新しい明日」のタイトル通り、昨日を振り返らずに明日へ、
  そして夢へと向かって突き進む人生へのエールが
  書かれている希望のサンバ。
・何かが始まりそうな、そんな予感がするイントロから、
  徐々にラストへ向けて高揚していく。
  “人々よ健康であれ!しっかり強く生きろ!
  カーニバルでは歌い踊れ!”とポルトガル語の掛け声を歌に入れ、
  ブラジルへの郷愁(saudage)も折り込まれている。
  オリジナルでは、数少ない日本詞の一曲。

■encore■
Nao deixa o samba morre Words・Music・年代不明
ポルトガル語で「愛のサンバよ永遠に」「サンバを死なせないで」の意。
インパクトのあるイントロから始まるこの曲は
メロディアスなメロディーラインを生かしたSambaの曲です。
一回聴いたら、座っているのが勿体ないと思うはず!!

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